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あわ沐浴

 当院では、アレルギー予防の観点から、新生児期からのスキンケアが必要と考え、泡でしっかりと洗い、シャワーで流した後、保湿を十分に行うあわ沐浴方法を取り入れています。2017年から出生1日目より、あわ沐浴法を取り入れ、ご家庭でも継続して行っていただけるような取り組みを行っております。
 この結果、生後1か月までにみられる新生児の湿疹、落屑、赤みなどの皮膚トラブルを減少させることができています。新生児期に皮膚トラブルを少なくし、すこやかな肌を育てることを目指しています。
当院であわ沐浴を行う以前との比較
 
 あわ沐浴開始前1年間と開始後1年間のお子さんで1か月検診までに湿疹を認めたかどうかを比較しました。当院があわ沐浴法を取り入れる前では約4割のお子さんが1か月検診の時点で湿疹などのトラブルを認めていたのですが、取り入れた後では2割以下と減少をしています(下図参照)。
図:あわ沐浴実施による湿疹の有無の調査
2015-2016ではあわ沐浴を実施せず,
2017-2018ではあわ沐浴を実施。
 

スキンケアの必要性について

1.なぜ、スキンケアが必要なの?
 
 赤ちゃんの肌はとてもデリケートです。お母さんの胎内ではあらゆる刺激から守られていますが、生まれた途端、紫外線や雑菌、乾燥などの刺激にさらされます。一方で赤ちゃんの肌は1年を通して水分量が少なく、大人の皮膚の厚さの半分以下です。その上、たくさん汗をかきます。デリケートな赤ちゃんの肌を守り、育てるために毎日のスキンケアが必要となります。従来の沐浴方法を見直し、乳児湿疹のない赤ちゃん本来の皮膚を目指し、あわ沐浴を行っています。
 
 
2.あわ沐浴法ってなに?
 
  • たっぷりのあわを使って全身を洗います。
  • ガーゼは使わず、手で洗います。
  • お湯につけず、38℃から39℃のぬるめのシャワーを効果的に使います
  • 泡で洗った後は、シャワーの水圧でしっかりと洗い流し、皮膚に汚れとあわが残らない状態にしていきます。(お湯に長くつかると赤ちゃんの皮膚表皮の水分を奪い乾燥しやすくなります。)
  • 沐浴をした後は、タオルでこすらず押し拭きをします。その後充分に保湿をしていきます。
図:あわ沐浴 手順
図:保湿 手順
当院パンフレット「あかちゃんにやさしいあわ沐浴法」より
 
 退院後も継続して診させていただけるように小児科外来で、お風呂の入り方・保湿剤の塗り方などのスキンケア方法をお伝えしています。アトピー性皮膚炎や食物アレルギー予防にはスキンケア・離乳食が関係しています。離乳食をいつ開始したらよいか 食物アレルギーは大丈夫かしら?など不安なことは多いと思います。
 当院では、湿疹のコントロール、スキンケア方法、離乳食のすすめ方についてご相談をさせていただいております。出産後のご家族だけでなく、出産前の方でも遠慮なく小児科にご相談ください。
 
小児科医師 石井彩子
 
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