本文へ移動

卵管鏡下卵管形成術(FT)

卵管鏡下卵管形成術(FT)について

 妊娠するためには卵管という精子や受精卵の通り道が閉塞(つまっている)や狭窄(細くなっている)していないことが必要です。卵管の通過性を調べる子宮卵管造影検査(HSG検査)にて閉塞や高度狭窄が見つかった場合は、卵管鏡下卵管形成術を行い、卵管の通過性をよくすることができます。
※卵管の子宮と反対側に近い部位で閉塞や狭窄している場合や卵管水腫の方はこの手術は適応となりません。

卵管鏡下卵管形成術(FT)とは

 腟から子宮内を通り卵管入口までカテーテルを通し、カテーテルへ内蔵されたバルーンを卵管へ押し進めていくことにより閉塞部位や狭窄部位を広げる治療法です。治療は約30分程度で終了し、入院は必要ありません。メスなどで切開することはないので身体への負担は少ないです。治療効果は永久的ではないとされています。治療後半年以内に妊娠しない場合は体外受精へのステップをお勧めする場合があります。
実施時期
月経開始5日目から排卵までの間に行います。排卵時期は一人一人違いますので適切な時期を事前にご相談し、ご予約していただきます。

費用について
卵管鏡下卵管形成術は保険適用の治療です。しかし保険点数が高く治療費は高額になります。健康保険3割負担の場合、片側約14万円、両側約28万円かかります。

高額療養費制度について
1か月の医療費がある一定額を超えると超えた分は1%の支払いで済む制度です。ご自身の健康保険証の表面を確認してご自身が加入している医療保険(健康保険組合・国民健康保険等)に申請することで差額が返金されます。また、事前に申請し、「認定証」を準備していただくことで、高額療養費制度を利用した金額で治療時の支払いを済ませることができます。例として、年収400~750万円の方の場合負担額は以下ようになります。
※あくまでも目安ですので年収等により実際の金額は変わります。

例)片側の場合
高額療養費制度利用なし・・・約14万円(3割負担)
高額療養費制度利用時・・・約 8万2000円

例)両側の場合
高額療養費制度利用なし・・・約28万円(3割負担)
高額療養費制度利用時・・・約8万7000円

(図は産科婦人科臨床 不妊症 2021 : 118-123より抜粋)


TOPへ戻る