一般不妊治療
一人ひとりの原因を追及しながら、並行して治療を行っていきます。
まずは排卵が起こる時期に、夫婦生活のタイミングを指導することから始まります。
原因や年齢などを考慮しながら、一人ひとりに合った治療のペースで、タイミング指導、各種ホルモン療法、人工授精、男性不妊症に対する治療、子宮内膜症に対する治療、必要ならば子宮・卵管に対する手術療法をすすめていきます。
●タイミング指導
卵胞の成長をエコーで観察しながら、尿中ホルモン検査により排卵日を予測して、妊娠しやすい時期に夫婦生活を送っていただきます。排卵日予測とお薬や漢方の簡単な治療だけで妊娠される方も少なくありません。頻繁に通院できない方は、ご自宅でできる排卵日予測尿検査薬をお持ち帰りいただけます。自然排卵に合わせる方法と、お薬で排卵誘発を行う方法があります。
●人工授精=AIH
Artificial Insemination with Husband's semen
AIHとは、遠心洗浄により濃縮した運動精子を子宮内へ直接送ることで、効率よく精子が卵子まで到達できるよう補助する技術です。精子は酸性の腟の中より、アルカリ性の子宮のほうが生存する環境に適しています。
AIHをお薦めする場合:
タイミング治療で妊娠されなかった方
軽度の排卵障害のある方
運動精子数などが低い方
子宮頚管粘液の少ない方
性交障害
不妊治療のすすめ方
初診後2年以内の妊娠を目標とします。女性の年齢や、過去の不妊歴・治療歴を考慮に入れて、症例によって(40歳以上)は早めのステップアップを行います。
妊娠率を明らかに低下させている因子があれば、まずそれに対応する治療を行います。
自然排卵周期でのタイミング法は3周期を目処に行います。
人工授精は積極的な理由が存在しない場合でも、初診後1年以内に推奨しています。
人工授精を3~4回行い妊娠に至らない場合は体外受精へのステップアップを考えます。
ステップアップの方法を示していますが、ステップダウンを行うことも可能です。